戸隠(とがくし)は、長野市西部にある山岳地で、800年前から修験道の修行僧が住む聖地として知られていました。そこから生まれたのが戸隠(とがくれ)流忍術で、甲賀・伊賀と共に、日本三大忍術とされています。戸隠流忍法資料館やチビッ子忍者村では、忍者体験や忍者の道具や秘術の展示を見られます。土産物屋には忍者グッズが売られ、そばの一大産地の戸隠のそば屋の中には「忍者そば」を出す店もあります。戸隠神社の参道の有名な巨大杉並木を歩いたり、修験道の仙人が住んでいた洞窟までトレッキングすることもできます。

忍者に興味がある人にとって、戸隠は忍術の起源を知られる格好の場所です。

上田市の北東にある真田地区は、「日本一の兵(つわもの)」と歴史に名を残す真田一族の本拠地です。真田一族と忍者は結びつきが深く、彼らの武勇伝を題材にした「真田十勇士」などの小説やテレビドラマでも知られています。上田には、駅の近くに伝説の残る井戸が見られる上田城址がある他、真田忍者を紹介するコーナーがある博物館や、真田忍者の資料が残る神社もあります。紅葉の名所で温泉のある角間渓谷まで足を延ばすと、猿飛佐助が技を磨いたとされる岩場を登れます。

松本は日本最古の天守閣が現存する松本城を中心とした城下町です。江戸時代中後期、松本藩の重臣の戸田家は、槍術、砲術、医学、そして忍術の4つの分野で、150年以上にわたって松本藩を支えました。その戸田家は、甲賀から芥川義矩(あくたがわ よしのり)という忍者をスカウトしたと伝えられています。芥川は松本周辺の地形や風俗に精通し、情報収集を通じて松本藩に貢献しました。
松本にお越しの際は、ぜひ松本城を訪れ、芥川という隠密忍者がいたことにも想いをはせてください。